基礎デザイン学科

science of design

形態論Ⅱ

「形態論Ⅱ」は、思想家、詩人のゲーテ(1749-1832)による自然観、形態学(モルフォロギー)にもとづく基礎的な形態研究のための演習です。 形態という概念がはらむ広大な造形領域を探り、形態学的アプローチを学びながら、デザイン・テーマを発見していきます。かたちの成り立ちを体験的に学習するために、日頃慣れ親しんだ身の回りのかたちを見つめ直し、そこに含まれる必然性や普遍性、そして環境との関係を探り当てていきます。

1.さなぎ

ある2つの物体ABを設定する。その間で「もしも虫のさなぎのようにメタモルフォーゼが起きるとしたら」を仮定してみる。一体、どのようなプロセスを経て変態し、その途中の状態はどのようなかたちをしているだろう。「あいだ」を創造する。「動き」を創造する。「時間」を創造する。まっ白な石粉粘土と対峙して、頭の中にしかない想像物を手から生み出すことを試みる。

2.らしさ

身のまわりから観察する対象物をひとつ選ぶ。そのものの「らしさ」を探って抽出し、特徴を膨らませて造形に落とし込む。ただし、単にそのものの形態を模写すればよいというわけではない。角度、接点、輪郭、動き、速度、重心、状態、関係性、パターン、バランス、ボリューム、陰影、重力…など、「らしさ」を最も象徴的に表している事象に着目し、形態を純化させて定着する。