ある2つの物体AとBを設定する。その間で「もしも虫のさなぎのようにメタモルフォーゼが起きるとしたら」を仮定してみる。一体、どのようなプロセスを経て変態し、その途中の状態はどのようなかたちをしているだろう。「あいだ」を創造する。「動き」を創造する。「時間」を創造する。まっ白な石粉粘土と対峙して、頭の中にしかない想像物を手から生み出すことを試みる。
身のまわりから観察する対象物をひとつ選ぶ。そのものの「らしさ」を探って抽出し、特徴を膨らませて造形に落とし込む。ただし、単にそのものの形態を模写すればよいというわけではない。角度、接点、輪郭、動き、速度、重心、状態、関係性、パターン、バランス、ボリューム、陰影、重力…など、「らしさ」を最も象徴的に表している事象に着目し、形態を純化させて定着する。