日用品は、動作や機能性や使い勝手を考えてデザインされている。実際に手で触れる取っ手やドアノブ、ふすまの引手などは、握りやすさや開けやすさ、引きやすさなど「手がかり」そのものがかたちになったもの。「手がかり」にはもうひとつ大切な意味がある。それはかたちを生み出すためのいとぐちの発見であり、さらにはデザインを使用する人の記憶や経験を引きだし、行為を誘うかたちを見いだすことである。