基礎デザイン学科

science of design

ヴィジュアルコミュニケーション

ヴィジュアル・コミュニケーションの実践的な演習ですが、3年次にはよりコンセプチュアルな次元でデザインを展開するステージに移行します。表現したい内容を的確に可視化する力と、人の記憶に印象を刻印するコミュニケーションとはいかなるものであるかを、2つの課題を通して理解していきます。特に後半の課題は、視覚記号の運用によって、アイデンティフィケーションがいかに生成するかについて把握する実践的な演習になります。

2017年課題1 見立て

あるものを、それ以外のものとしてみていく行為を「見立て」という。
ここでは、写真を用いて、見立ての視点を写真表現として成立させ、
画面の中に、作者と同じものの見方へと誘うための
「最小限の言葉」が添えられている。
写真と言葉が融合し、見るものが作者と同じ視点を共有することで、
効率のいい意思の疎通、つまりコミュニケーションが起動していく。
これはその原理を体得していく演習である。

2017年課題2 FOOD STORE

架空の「食料品店」を考案し、VIデザインを展開していく。
これまでになかった独創的な食べ物を販売する店を考え出し、
どのような価値を持つ商品をいかなる空間やサービスで提供するのかを、
詳細なディテイルまでよく吟味して検討する。
そしてその店の「名称」を考え、そのマークやロゴタイプをデザインする。
サービスの内容や店の思想を体現したシンボルマークやロゴタイプを
ふさわしい形で作り上げ、それをパッケージや包装紙、店舗空間や広告、
制服などへと展開してみることで、架空の食品店は、
まるで本当に存在するかのように見えてくる。
写真は、売れ残ったけれどもまだ使える野菜を用いた、
エコロジカルな思想で展開するスープ店をヴィジュアライズしたものである。

市場に出ずに捨てられるはずだったけれど十分に安全な食材だけを使ったスープ