彫刻
泉澤 雅人
芸術とデザインは異なるのだろうか。芸術とデザインの差異を積極的に探る言説も過去にはあった。その境界を軽やかに超えていくところに、作者の視点はある。ブランクーシ、イサムノグチの造形言語と洗剤のパッケージ、セメントやPPでできた建材の間には「視点によって」通底する形がある。この制作のポイントは彫刻と人工物に通底する形の視点を提示することにある。その視点は、人工物から機能と、寸法や材質感をはぎ取り、彫刻からは芸術のオーラをはぎ取るだけではない。彫刻と人工物の違いが、芸術に対して、デザインの機能性、社会的目的性、計画的に管理された生産、など世俗的に言われていることだけでないことをこの制作は示唆している。
(担当教員 深澤直人 / 解説文 小林昭世)